「香る体」に改造する方法

2011.03.31

香りは高貴な人のしるしであるだけでなく、異性を惑わす媚薬でもあった。娘やミカドの「性」が政治を動かしていた当時、香りの文化が発達するのは、思えば当然であろう。貴族にとって香りがいかに重要な関心事であったか、例によって当時の医学書の『医心方』を見ると、第二十六巻に「体臭を芳しくする処方」がある。たとえば「瓜弁(冬瓜の種)、当帰(セリ科多年草トウキの根)、細辛、藁本(セリ科多年草カサモチの根茎)、肖前(セリ科多年草オンナカズラの根茎)を各三分。杜を五分。以上六種類を別々に拙き調合して、方寸さじ一杯分を一日三回服用すること五日で口が香り、十日で舌が香り、二十日で皮膚が香り、三十日で骨まで香り、五十日で体中の気が香り、六十日で遠く四方まで香るようになる」
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