花嫁からの声を紹介します。彼と交際していることを親に報告しないまま妊娠が発覚し、両親に結婚の意思を告げました。突然のことに両親の動揺は激しく、連日の口論が続きました。けれどあるとき、母がさびしそうな顔でこう言ったのです。「おなかの赤ちゃんには全部聞こえているんだから、もう言い争うのはやめましょう。おばあちゃんとママが自分のことで喧嘩するなんて、こんなにつらいことはないわ」その言葉を聞いた瞬間に私は両親に申し訳ないという気持ちがこみ上げてきて号泣しました。両親にだって娘の結婚への夢があったはずなのに、私はすべてを自分だけで決めてしまったのです。両親のためにも幸福にならなければいけないと、強く思いました。 次にお母さまからの声を紹介します。親としての選択権残念に思ったのは、娘の結婚に対し、親としての選択権がもてなかったという点です。もしも娘が「結婚しようと思うのだけれど」と彼を紹介してくれたのなら、「この男性は本当に娘を幸福にしてくれる人物なのだろうか」と親なりに考え、判断することもできたのでしょうが、妊娠という事実の前では、意見をはさむ余地さえありませんでした。幸いなことに相手の男性がとてもよい方だったので安心しましたが、もしも意に添わない人物だったらどうなっていたのだろうと考えることがあります。娘の選択権いちばん不安に思ったのは、「娘は本当にこの男性との結婚を望んでいるのかしら」ということでした。心から愛していて結婚するのならよいのですが、もしも妊娠したから仕方なく結婚するというのであれば、「この結婚をするか、しないか」という選択権を、娘は失ってしまったことになります。「あなたは本当にこの人でいいの?それとも妊娠したために結婚する相手なの」と娘に聞きたかったけれど、やがては孫の父親になる人だと思うと、厳しいことは言えませんでした。突然の報告私たち夫婦は、ふたりの交際をまったく知りませんでした。ある日突然紹介されて「妊娠しているから式を急ぎたい」と言われたときは、まさに青天のへきれきで、主人も驚きを隠せない様子でした。同じ妊娠でも、結婚を前提におつき合いをしている男性がいることを知っていたら、私たちもこれはどのショックは受けなかっただろうと思います。「順番が逆になっちゃったわね」と、式を急がせたかもしれません。見たこともない人に「今日から家族です」と言われて、受け入れられる人なんているでしょうか。「前もって紹介されていたら……」と、マイナスからの出発が残念に思えてなりません。結婚のきっかけとしての妊娠私はいわゆる「できちゃった婚」を容認するつもりはありません。けれど今は女性も責任ある立場で仕事をしていたり、お給料が彼より多い場合もあったりして、男性が自信をもって「俺についてこい」とプロポーズできる状況ではないことも多いと思うのです。実際に娘の場合もそうでした。そんなカップルなら、妊娠が結婚のきっかけになることもあるのではないでしょうか。娘は自分が妊娠したことを、心から喜んでいました。「中絶したい」などと考える娘ではなかったのが、親としての誇りです。今では孫を抱くたびに「気の弱いパパの背中を、この子が押してくれたのだ。ふたりにとってキューピットだったのだ」と実感しています。