日本人は、花見によって春の訪れを実感する国民だ。古来、日本では桜をとりわけ愛でてきた。「花」といえば桜をさすということからも、偏愛ぶりがよくわかる。それほど桜への思い入れが強いのは、桜の木に神様が降臨すると信じられていたからだろう。古代の花見は、神様とともに過ごすことにより、穢れを祓ってもらう儀式だったのである。また満開の桜に触れれば、健康になれるともいわれてきた。事実、桜の花粉のなかのリンと硫黄を吸収すると、体内の疲労物質が消えるという。もともと自然を愛でるのが大好きな日本人は、たんに桜の花を見るだけでなく、湯に入れて桜湯にしたり、花見をしたりすることで、その美しさを存分に味わおうとしたのである。花見は平安時代から行なわれていたが、当時の人たちの気持ちは、いまの日本人にもしっかりと残されている。
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